個別支援計画

個別支援計画の作成手順と5領域 ― 児童発達支援・放課後等デイサービスの実務

個別支援計画は「作れば終わり」の書類ではなく、アセスメントから見直しまでの一連の手続きがそろって初めて成立します。令和6年7月に改定されたガイドラインでは、本人支援の5領域を踏まえたアセスメントと、計画のなかで5領域とのつながりを明確にすることが求められています。このページでは、児童発達支援管理責任者が実際に踏む手順と、そこで残す記録を順に整理します。

要点

  • 手順はアセスメント → 原案作成 → 担当者会議 → 説明と同意(交付)→ 支援の実施 → モニタリング → 見直しの循環です。どれか1つが抜けると、計画そのものの有効性が問われます。
  • 令和6年7月改定のガイドラインでは、児童発達支援管理責任者が本人支援の5領域の視点等を踏まえたアセスメントを行い、個別支援計画で5領域とのつながりを明確化することが求められています。
  • 5領域とは「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」です。
  • 説明・同意・交付の日付と署名は、運営指導で最も確認されやすい部分です。支援の開始日より後の日付になっていないか必ず確認してください。

作成から見直しまでの流れ

個別支援計画は、児童発達支援管理責任者(児発管)が中心となって進めます。書式は自治体や事業所によって異なりますが、踏むべき手順は共通しています。

個別支援計画の手続きと、そのとき残る記録
段階 やること 残る記録
① アセスメント本人・家族との面談等により、5領域の視点等を踏まえて状況を把握するアセスメント票、面談記録
② 原案作成障害児支援利用計画とアセスメントを踏まえ、支援目標と支援内容を組み立てる個別支援計画(原案)
③ 担当者会議支援に関わる担当者で原案を検討し、専門的な意見を求める会議記録(日時・出席者・検討内容)
④ 説明・同意・交付本人・保護者に説明し、同意を得て、計画を交付する署名・同意日の入った計画、交付の記録
⑤ 支援の実施計画に沿って支援し、日々の記録を残す支援記録
⑥ モニタリング計画の実施状況と目標の達成度を把握するモニタリング記録
⑦ 見直し必要に応じて計画を変更し、①〜④を改めて行う変更後の計画(同意日を含む)

※ モニタリングの実施頻度や計画の見直し時期は、運営基準および自治体の指定基準条例で定められています。事業所所在地の自治体の基準を必ずご確認ください。

1. アセスメント

アセスメントは、支援目標を決めるための材料集めです。こども家庭庁の資料では、児童発達支援管理責任者が、こどもや家族への面談等により、本人支援の5領域の視点等を踏まえたアセスメントを実施し、障害児支援利用計画やアセスメントを踏まえて個別支援計画を作成するとされています。

実務でつまずきやすいのは、できないことの一覧になってしまうことです。支援目標は「今できていること」を土台に組み立てるため、できている場面・できる条件も同じくらい丁寧に記録しておくと、次の段階が進めやすくなります。

5領域とのつながりをどう書くか

令和6年度の報酬改定にあわせ、児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて5領域すべてを含めた総合的な支援を提供することが運営基準に明記され、個別支援計画において5領域とのつながりを明確化すること、5領域を網羅した支援プログラムを作成・公表することが求められるようになりました。

本人支援の5領域
領域おおまかな内容
健康・生活健康状態の把握、生活リズム、基本的な生活スキル
運動・感覚姿勢と運動・動作、感覚の特性への配慮
認知・行動認知の特性の理解、行動の調整
言語・コミュニケーション言語の形成と活用、意思の伝達手段
人間関係・社会性他者とのかかわり、集団への参加

※ 各領域の考え方の詳細は、こども家庭庁のガイドライン本文をご確認ください。

「5領域を埋める」ことが目的ではありません

5領域は、支援の抜け落ちを防ぐための視点です。1人のこどもについて5つの目標を機械的に立てることを求めるものではなく、そのこどもに必要な支援がどの領域とつながっているかを示せる状態にすることが趣旨です。実態と結びつかない目標を領域ごとに並べると、モニタリングの段階で評価できなくなります。

2. 原案の作成と3. 担当者会議

原案では、支援目標を「誰が読んでも同じ状態を指す」表現にしておくと、後の評価が楽になります。たとえば「落ち着いて過ごせる」は評価者によって判断が割れますが、「活動の切り替え時に、声かけ1回で次の活動に移ることができる」であれば、達成したかどうかを記録から判断できます。

担当者会議では、原案について支援に関わる担当者から専門的な意見を求めます。記録には、開催日時・出席者・どの目標についてどんな意見が出て、原案をどう修正したか(または修正しなかったか)まで残しておくと、計画の根拠が説明できる状態になります。

4. 説明・同意・交付

作成した個別支援計画は、本人・保護者に説明し、同意を得たうえで交付します。ここは運営指導で最も確認されやすい部分です。次の3点は、書類がそろっていても日付の整合で指摘されることがあります。

5. モニタリングと6. 見直し

モニタリングは、計画の実施状況と目標の達成度を確認する作業です。日々の支援記録と切り離して書くと、「記録上は目標に触れていないのに、モニタリングでは達成と書かれている」という食い違いが生まれます。目標に対応する場面を日々の記録の中で意識して残しておくと、モニタリングの根拠がそろいます。

見直しでは、目標を達成した場合も、達成できなかった場合も、次の計画に反映します。達成できなかった目標をそのまま次期に持ち越すときは、なぜ達成に至らなかったかの見立てを書き添えてください。同じ目標が理由なく繰り返されている計画は、指導の場で説明を求められやすい点です。

児童発達支援と放課後等デイサービスの違い

両者はしばしばまとめて語られますが、対象と目的が異なります。児童発達支援は主に未就学のこどもを対象とし、放課後等デイサービスは学齢期の障害のあるこどもを対象に、放課後や休業日に発達支援を提供するものとして位置づけられています。ガイドラインもそれぞれ別に定められています。

多機能型で両方を実施している事業所では、様式を共通化していることが多いものの、参照すべきガイドラインは分かれます。運営基準・加算の要件も一致するとは限らないため、確認の際は「どちらのサービスの話か」を先に確定させてください。

本ページは公的資料の所在をご案内する情報提供です。個別支援計画の様式・記載項目・モニタリングの頻度は、自治体の指定基準条例および事業所の運営規程によって異なります。個別の取扱いは指定権者(都道府県・市)にご確認ください。

個別支援計画そのものより、「この加算では計画に何を書く必要があるか」「自分の自治体ではモニタリングの頻度がどう定められているか」で手が止まることが多いはずです。SHIENLOG の障害福祉AI司書 by PUBREF は、根拠となる告示・通知・自治体資料の該当箇所を出典つきでご案内します。

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個別の適否の判断は指定権者によります。本ページ・AI回答は情報提供であり、法的助言ではありません。

参照した公的資料

※ 個別支援計画の様式そのものは全国統一のものが定められていません。本ページの手順は、上記ガイドラインおよび運営基準が求める手続きを整理したものです。

次に確認したいこと

計画を作ったあと、実際に確認される場面と根拠の探し方です。

本ページは、国が公開している公的資料の所在をご案内する情報提供です。法的助言ではありません。障害児通所支援の制度は改正されることがあり、運用は指定権者(都道府県・市)ごとに異なります。個別のケースの適否は指定権者の判断によります。最新の内容は必ず一次資料と指定権者にご確認ください。